あかねの日記

惰性で続けるブログ

読書『美容は自尊心の筋トレ』 ファッション誌との付き合い方

美容テクニックの本ではなく、自尊心にフォーカスした本。長田杏奈『美容は自尊心の筋トレ』。とても良い本だった。

著者は美容ライターとして、「美のカウンターが振り切れたスーパーサイヤ人級美女」たちと一緒に仕事をしている。他人と自分を比較せず楽しく仕事ができているのは、自尊心を育み鍛えているから。美容とは、見た目の美しさを追求することではなく、自分をやさしく扱う練習であると述べている。

メディアで華やかな芸能人を目にして、つい自分と比べてしまうときに思い出したい内容だ。

例えば、私は俳優の天海祐希さんや中谷美紀さんのようなキリッとした方が好きだ。雑誌の表紙に載っているのを見かけると、綺麗だなと思うと同時に、自分はアラフィフになってもこんな素敵な大人にはなれないわ…とどうしようもないことを考えている。

そんなキラキラした世界にモヤっとしたときは、「まあ比べちゃうのは仕方ないよね。でも自分には自分なりの毎日があるぞ。」と正気に戻りたい。

 

ちょっと摂食障害の話になる。以前私が摂食障害に陥った要因の一つに、ファッション誌のモデルと自分を比べすぎたことが挙げられる。10代の終わりごろは、毎月のファッション誌がそれはもう楽しみで、発売されると何度も読み返していた。

そこに載っているモデルを見て、自分は全然ダメだとショックを受けているうちに、拒食症から過食症へと転がり落ちた。自分でコントロールできて、数字で結果が出るところに走ってしまう。(摂食障害は治ったが現在でもその傾向はある。)

社会に出ると、メディアはイメージ商売であること、全てが真実でないこと、利害関係があること、過剰な表現があること、偏った価値観を刷り込まれていることが分かってくる。モデルさんもその周りの人たちも仕事は大変だよなと思う。

今でもお洒落は楽しみたいが、雑誌はパラパラめくる程度で、はいはいと眺めていられるようになった。しかしたまにネガティブにもなる。自分がそれに気付けるか、折り合いをつける手立てがあるかで、その後の気の持ちようは大きく違う。

昔の自分がこの本を読んでも、すぐに受け入れられたとは思えない。メディアの価値観が正しいと思い込んでいから。今ならその通り!と納得できるのだけど。