あかねの日記

惰性で続けるブログ

読書『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』

つい書店でビジネス書をチェックしてしまうので興味を持った。漆原直行『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』。Kindle Unlimited で読める。2013年発刊と少し古いが、本質の部分は今でも通用する。

こんな人に向けて書かれた本だ。

  • ビジネス書を読まないと立派なビジネスパーソンになれない……みたいな雰囲気だけど、ぶっちゃけどんなタイトルから手をつければいいのか、皆目、見当がつかない。
  • 自己啓発やら成功哲学やらをあれこれ追い求めてきたけど、いいかげん疲れた……。
  • 仕事もプライベートもとにかく不安でいっぱい。話題のビジネス書を手当たり次第読んでいるものの、役に立っているのか、自分が成長しているのか、正直よくわからない。でも、読まないとさらに不安になるから次々とビジネス書を読んでいる。
  • ビジネス書をよく読んでいるらしい上司や同僚が、聞いたこともないような用語を頻繁に使ったり、似たような表現や言い回しを口にしている。ワケがわからん。
  • はぁ……最近の若手社員やインターンでやってくる学生って何なんだろうね。元気で賢そうな雰囲気を醸しながら、つき合ってみるとどこか言動と実際の能力がチグハグだったり、人間的魅力の部分で底が浅かったりするんだ。ビジネス書で仕込んだらしい用語や理論を得意げに語ったりするわりに、本来の課題からは逸脱していたり、分析や認識が軽薄だったりする。カバンのなかにも机の上にも、いつもビジネス書――みたいな連中におぼえる違和感、あれはなんだ?

(「はじめに」より)

ポイントをまとめると、

  • 出版不況に入ってから、各出版社は薄利多売に舵を切った。中身が薄くて同じような本が次々に市場に投入された。
  • 書き手側は、パーソナルブランディングとしてビジネス書を出すこと自体を手段/目的にする人が増えた。
  • 経済不況になると、不安に駆られてビジネス書を読む人が増える。ビジネス書を読むことが手段ではなく目的になる人も多い。
  • 本質は今も昔も変わらない。ビジネス書は量より質を重視して読む。原典と言える書籍(思考は具現化する、7つの習慣など)をじっくり読むことをオススメする。
  • ビジネス書を読んだ直後はデキる人になった気分になれるが、現実とのギャップに気付いて余計不安になり、次のビジネス書に手を出す。
  • 仕事で実務者として認められることでしか活路は開けない。現場や周りの人に向き合う。実務書や専門書をじっくり読む。
  • 他のジャンルに目を向けることがビジネスのヒントになるかもしれない。楽しみや知的好奇心を満たすことが目的の読書があってもよい。本来はそのような意識を持って親しむのが基本だった。

改めて、ビジネス書とは程々に距離を置いて付き合おうと思えた。