ダイエットや健康管理の進め方を検索すると、多くの記事でレコーディングを行うことが推奨されている。確かに目標設定も計画立案も、定量的に現状を把握しないことには始まらない。
今では、それをサポートするサービスも多様にある。体重でも栄養素でも運動量でも、素早く正確に測定してアプリへ記録。データを元に判断を下し、アドバイスを行い、ときに最適なプランまで提案してくれる。
医療機関の指導により記録する必要がある方、または記録した方が上手くいく方、もしくは現状把握のために記録しておきたいといった方は、ぜひ便利なツールを活用すべきだと思う。
私はそのような数値管理を行うと自滅することが分かったので、いつしか一切やらなくなった。
数値管理したときにどのような経過をたどるかというと、
- ささいな変化に一喜一憂する
- 上手くいかなくてストレスが溜まる
- 上手くいかないときに自分を責める
- このまま上手くいかないのではないかと不安に駆られる
- 上手くいっても、そのうち失敗するのではないかと不安に駆られる
- きちんとやらなければという強迫観念にとらわれる
- 食事制限や運動内容がエスカレートする
- 摂食障害になる
数値化のメリットとして客観性が挙げられる。しかし、私にとって健康関連の数値を客観的にとらえることは難しかった。むしろ、どこまでも主観的かつ感情的になり、偏った認識がますます強化されるだけだった。
そういう失敗をしてきて、ゆるーく、ざっくり、何となく把握しておくくらいが自分には丁度いいと分かってきた。
体重計に乗らない生活をかれこれ五年は続けている。以前は体組成計とアプリを連動させて記録していたこともあるが、一喜一憂するのが嫌になって体組成計を処分した。
今では体重を測定するのは、年に一度の人間ドックのときのみ。それでも毎回±1kgの範囲に収まっており、大きな変動は無い。うつ病で食欲が無かったときは一時減少していたはずだが、実際の変化がどうだったかのは不明である。でも記録が無くても困らないし、むしろ記録しない方がしっかり食べて回復に向かえる。
食事は目分量。神経質なくらいに摂取カロリー計算をしていた経験があると、だいたいは分かるようになってくる。食べ過ぎると気持ち悪くなるので、お腹いっぱいになりそうな量は装わない(これは歳のせいもあるかもしれない)。
たいていは一日三食だが、前日にボリュームのある食事をして胃が疲れているときは、味噌汁的な軽いもので済ませる。間食はもともと取らない。次の食事までに消化しきれないから。いただきものや、食べたいお菓子があるときは、食事の直前または直後に食べる。
砂糖を気にしたり、小麦を気にしたり、添加物を気にしたり、そういうこともあまりしなくなった。「気を付ける」とか「気にする」とかが極端になりすぎるから。それをやると、食べられるもの(自分に食べていいと許可を出せるもの)がどんどん無くなる。心配しなくても、食べ過ぎてはいないので大丈夫だと思うことにしている。
毎日適当な筋トレとストレッチをするけど、調子が悪いときはやらない。外に出ない日が続けば散歩に行くけど、仕事が忙しいときは無理して行かない。
数値管理をしないことで、気楽に気長に続けられる場合もある。正しい方法やベストな方法も参考にはするし、便利なアプリもたくさん見つかるけど、合わない方法を採用する必要はない。
完璧主義で上手くいかないと感じたら、大ざっぱな方針を取ってみるのアリだと思っている。