あかねの日記

惰性で続けるブログ

期待させて落とす

先月末、夕食後に娘が「みんなで旅行に行きたい」と発言した。

我が家の旅行事情について説明すると、コロナ禍前は毎年ゴールデンウィークに家族で国内旅行をしていた。たいていは三泊四日。私の趣味を前面に押し出した寺社仏閣巡りのルートを組んで、ついでに水族館や景勝地を楽しみ、温泉宿で美味しいものを食べるプラン。

娘はまだ保育園児だったけれど、小さいなら小さいなりに楽しかったようだ。今でも Google Photo の写真を見ながら思い出を語ってくれる。

 

コロナが流行り出した2020年は、旅行も両実家への帰省もしなかった。「Go to トラベル」が施行され始めたが、複雑怪奇なルールに踊らされるのも、のこのこ出掛けて感染するのも馬鹿らしいので、スルーを決め込む。

2021年から帰省は再開したが、旅行はしなかった。オリンピック開催による感染爆発もあり、出掛ける気にはとてもなれない。楽しさよりも面倒事の方が明らかに大きい。

2022年は旅行を再開する理由が特に無かった。歳とともに疲れやすくなったせいか、はたまた飽きっぽい性格のせいか、寺社仏閣への前のめりな興味も、国内外を旅したいという情熱も、すっかり下火になっていた。そもそも仕事の忙しさから心を病んでおやり、旅に出るような元気はなかった。

今年の前半は体調が悪く、旅行など考えられない状態だった。しかし、世の中ではコロナ関連の規制が緩和され、観光地は芋の子を洗うような大混雑。交通費も宿泊費もインフレがすごい。今さら旅行に行くなんて面倒になってくる。

そんな折、妹と閑散期の箱根旅を計画したところ、何だか楽しみになってきて、結果とても楽しかった。のんびりした旅なら全然アリだと気付いた。

 

そして冒頭の、娘の「みんなで旅行に行きたい」発言に戻る。

幼少時に県外へ出る機会がめったに無かった私からすると、娘は帰省で旅行を大満喫している部類に入る。しかし、家族で旅行したい気持ちも分からなくはない。

娘は私と一緒に帰省したかったらしいが、夏は体調的にそうしなかったし、冬は意図的にそうしないであろうことを、ちょっと申し訳なく思っている。そして、年齢が小さすぎず大きすぎず、親と一緒に旅行したいなんて言ってくれるのはおそらく今だけだ。

夫と軽く調べてみると、よさそうな候補地がいくつか見つかった。「こういうのは勢いで宿と飛行機を予約して、あとのプランは空っぽでいいんだよ」と言う大雑把な夫にそそのかされ、私は宿を、夫は飛行機を予約した。

娘は大喜び。私はといえば、従来であれば寺社仏閣情報の充実したガイドブックを選んでいたところ、今回は「まっぷる」を購入して旅に備える。めっちゃ楽しみにしとるやんけ。

 

しかし、夫の仕事の都合で行けなくなった。

もうね、がっかりよ。あなたがこの日程にしようと言ったんですよね?今週は意気消沈。やる気がなかったのは、体調よりも天候よりも、これのせいである。いったい何を楽しみに頑張れというのか。

夫は「私と娘の二人」or「妹を入れて三人」で旅する案を提言してきたが、それは当初の目的から大きくズレているし、きっと私が大変になるやつである。

旅行は完全に取り止めることとなり、宿と飛行機をキャンセルした。

就寝前、娘に行けなくなったことを伝えると、泣きながら寝てしまった。可哀想に。

 

そんなわけで怒り心頭だったのだが、書いているとちょっと落ち着いてきた。

切り替えの早い娘は、次の機会がやってくることを楽しみにしている。大人やで。

いつになるかは分からないが、そのうち行ける。たぶん。