あかねの日記

惰性で続けるブログ

本は心の自由のために

台風一過、日差しの強い一日だった。風はまだ少し強いけど、じめじめが吹き飛んで過ごしやすかった。

一昨日のブログに、最近インドカレーを食べていないことに気付き、一人ランチに出掛けたことを書いた。夫もそろそろカレーにしようと思っていたらしく、昨日の夕食にマトンカレーとチーズナンを作ってもらった。スパイスの粗さが残るカレーと、モチモチのナンが良い組み合わせだった。

 

今週は、書店・図書館を舞台とした小説を読んだ。

一冊は『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』。Amazonの欲しいものリストに12年前から放り込んでいた本。図書館で見かけて、思い出して借りた。

パリに実在する「シェイクスピア&カンパニー書店」が舞台。貧しい作家や旅する若者の避難所として、書店での労働と引き替えに宿を提供している。

お店のモットーは「見知らぬ人に冷たくするな、変装した天使かもしれないから」。店主ジョージのモットーもある。「与えられるものは与え、必要なものは取れ」
ja.m.wikipedia.org

カナダの元新聞記者である著者が、書店に滞在した経験をベースに書かれている。はしがきによると可能な限り事実を書いたとのことだが、フィクションのようにも、この書店でなら起こり得そうなことのようにも思える。

若いときに読んだとしたら、きっと自分探しの青春小説として捉えていただろう。今読むと、行き詰まった時に避難する場所があることのありがたさ、寄り道するのは決して無駄ではないこと、去るべき時が来たと悟ったら潔く立ち去ること、その時は否が応でもやってくるとこと等が心に残った。

他には、森へピクニックに出掛けたら変態にフォーメーションを組まれた話と、ヴィトンを売ってもらえない日本人のために買取代行をする話が印象的だった。

自分がこの書店に滞在したいかというと、騒がしさと衛生環境の面から無理だろうなと想像した。

作中で日曜日の朝食がパンケーキだったのを思い出して、私も今日はパンケーキを作った。

 

もう一冊は『アウシュビッツの図書係』。

アウシュヴィッツ強制収容所に、囚人たちによってひっそりと作られた“学校”。ここには8冊だけの秘密の“図書館”がある。図書係に指名されたのは14歳の少女ディタ。本の所持が禁じられているなか、少女は命の危険も顧みず、服の下に本を隠し持つ。

Amazon紹介文より)

独裁国家は本を読むことを禁ずる。考えることにつながるから。閉じた環境になればなるほど、心の自由のために本が必要だと感じさせられた。刑務所でも戦場でも同じなのだろうな。

義務であるときはつらいのに、それができない状態になってやっと自由だったことに気付く。自分が選択できる事柄に、無自覚でいないようにしたい。