先週からの読書。斎藤美奈子さんの時評&書評で紹介されていた本のうち、気になったものをいくつか読んだ。
加えて、それらの本をAmazonでチェックしたとき、「この商品を購入した人はこんな商品も購入しています」に出てきたもの。
気がつくと福島第一原発事故に関するものばかり…。にわか知識が増えてしまった。しかしあれから12年以上経つが、読んでいると今更という気持ちにはならない。
何年も調査して分かってきたこと、近年の被災地の状況、関係する方々がどういう気持ちでいるか。いずれの本も、ネットニュースを断片的に見ているだけでは知る由もなかった情報が詰まっていた。
本の制作側の多大な労力も伺い知れる。関係者の信頼を得るのが一番大変そうだ。
以下二冊は、斎藤美奈子レビューにあったもの。『ふくしま原発作業員日誌』と『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』。事故の裏でこんなことが行われていたとは、恥ずかしながら知らなかった。現場で働く人々の言葉を丁寧に拾っているところがとても良い。
以下二冊はAmazonレコメンド。
まずは『福島第一原発事故の真実』。図書館で「この辞典みたいな本は借りてもらえるのか?」と余計な心配をしながら横目で通り過ぎていたのに、自分がそうすることになるとは予想外だった。
しかし文字が大きめで、七分の一くらい(感覚的に)は写真や図が占めているので、見た目ほど読むのに時間を要さなかった。
前半は、3月11日から数日間の事故経過を記したドキュメンタリー。後半は検証パートとなっている。
事故関連の本は多数出版されているが、これは網羅的かつ論点が的確で、基本の一冊としてオススメしたい。特定の人がヒーローに祭り上げられることもなく、フラットな視点で書かれているのも良いところ。
NHKスペシャル向けの取材成果をまとめたものとのことで、本の構成にもテレビっぽい流れの良さを感じた。読みやすかったのはそのお陰もあるかもしれない。NHKはいい仕事をしている。アップデート版が出たらぜひ読みたい。
『朽ちていった命』は、1999年の東海村臨界事故に関する本。被爆者治療に当たった医療関係者からの証言をベースとしている。
ネットで検索して、事故の概要と悲惨な写真については知っていたが、ちゃんと読んでおきたいと思って借りた。ここでもNHKはいい仕事をしている。
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