あかねの日記

惰性で続けるブログ

曖昧にしておく

最近読んでいる本。

斎藤環・與那覇潤『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』は再読。

帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』は初読。こちらについての感想を簡単に。

ネガティブ・ケイパビリティとは、「早急な結論、過激な意見にとびつかず、すぐに解決できないことには、急がす、焦らず、耐えていく力」とのことである。

当初期待していた、ネガティブ・ケイパビリティとはどういった要素から成り立っていて、それを身につけるためにはどういうアプローチがあるか、といったことはあまり書かれていなかった。

序盤では、ネガティブ・ケイパビリティという言葉を初めて使ったとされる詩人キーツ、それを再発見した精神科医ラブレについて、前のめり気味に語られている。著者はそれら偉人とご自身の共通点に運命的かつ奇跡的なものを感じているご様子である。全体的に著者が出しゃばっていて、所感や体験談が雑音に感じられる。

中盤ではネガティブ・ケイパビリティの素晴らしさが語られるが、他にも同じような概念はあるのでは?と疑問に思いながら読んだ。(ありのままで良いとか、白黒つけないとか、完璧主義者へのアドバイスと似ている。)また、大袈裟な表現や断定的な箇所が多く、本当にそうなのか?と読んでいて違和感が残る部分も多かった。

そこから、スピリチュアルや脳科学寄りの話になり、シェイクスピアと紫式部はネガティブ・ケイパビリティに溢れているという話になり、現代の教育にはネガティブ・ケイパビリティが足りないという話が展開される。

とりあえず、著者がネガティブ・ケイパビリティが大切だと言いたいことだけは分かった。

曖昧な理解に留まったままだが、気にしないことにしたい。

今週のお題「最近読んでるもの」