あかねの日記

惰性で続けるブログ

大相撲を見ていたあの頃

大相撲を欠かさず見ていた時期がある。産後うつが深刻化し、義実家と実家に相次いでお世話になっていた約八か月間だ。

まずは、夫の実家に居候していた最初の五か月間。夫のおじいちゃん&おばあちゃんは夕方はテレビを見るのが習慣で、基本的にNHKがついていた。「もしよかったら私たちのリビングにおいで」といつでも優しく声を掛けてくれたので、これといった役割の無かった私は、娘を連れてその時間を一緒に過ごさせてもらうのが定番になった。その流れで何となく見始めた大相撲だが、おじいちゃん&おばあちゃんと観戦するうちに毎日の娯楽となり、千秋楽の後は次の本場所を楽しみにするようになった。

次に、私の実家に帰省していた三ヶ月間。実家にいた間、週二ペースで町の整骨院に通っていた。母が怪我をしたときにお世話になっているところへ連れて行ってもらったのだ。そこは大きな日本家屋が整骨院&先生一家の自宅になっており、懐かしく暖かい空間が(冬だったからよけいに?)とても心地よかった。長年同じ町に住んでいたというのに、その存在を初めて知った。

超過疎地の整骨院は当然ながらおじいちゃんおばあちゃんばかりで、玄関を上がってすぐの待合室のテレビでは基本的にNHKが流れていた。大相撲の開幕中はみなが熱い視線で取組を見守っており、「おお~」とか「あちゃ~」とか「今回の○○は調子がいい」とか「あいつは最近たるんでいる」とか話しているのがおもしろかった。(ちなみに先生の腕も良く、身体が格段に動くようになって感動した。)

 

回復して自分の家に戻ってからは、テレビが無いので大相撲を見ることはなくなった。仕事に復帰してからは、そもそも夕方に暇な時間があるという状態とも無縁になった。

たまにニュースを追って、知っている力士が昇進すると嬉しく思ったり、引退すると寂しく思ったりしていたが、あの頃活躍していた人も今ではだいぶ減ってしまい、最近は誰が誰だかすっかり分からなくなってしまった。

見なくなった一番の要因は環境の変化だが、何で見ないのかを改めて考えてみると、大相撲が好きだったというよりも、大相撲を好きな人と一緒に相撲を見ることが楽しかったのだと気づいた。