昨夜は、黒柳徹子『続 窓ぎわのトットちゃん』を一気に読んだ。
もうね、切ない。
前半は、太平洋戦争前後のお話。お父さまが出征し、残されたお母さまとトットちゃんたち兄弟姉妹は、青森の知り合いを頼って疎開。そこでの暮らしと、終戦後に東京へ戻ってくるまでが書かれている。
戦争の話は、読んでいるだけで不安を喚起させる。色々なものが失われていくのが悲しいし、健気に生きるトットちゃん様子を見ていると切ない。
でも、お母さまの存在が、この物語の根底を明るく照らしている。そして希望に満ちている。
どんなに窮地に陥っても、明るく、お洒落で、たくましいお母さま。読んでいて「ほんとに!?」と思わず笑顔になってしまうほど、バイタリティあふれるエピソードばかりだ。
そして、トットちゃんの育った環境は、とてつもなく文化的なのだと改めて思った。
後半は、東京に戻ってからの女学校時代を経て、NHKで日本史上初のテレビ女優として活躍し、その後NHKを離れるあたりまで。
黒柳さんがテレビの歴史そのものだとよく分かる。
トモエ学園の小林先生のように、NHKで研修を担当した大岡先生が、つかず離れず黒柳さんを見守っていてくれるのがとても暖かかった。周りに認められていなくても、そういう人が一人いるだけで救われるものだ。
後半は成長の勢いにあふれていて、日本の芸能界で活躍された方々も数多く登場する。
しかし、この本に出てくる多くの人たちと黒柳さんはお別れしてきたのだと思うと、また切ない気持ちになる。
そして、いわさきちひろさんの挿画も、またまた切ない。
娘が無印トットちゃんを読みたいと言っているので、青い鳥文庫を買うか借りるかしようと思う。