『罪と罰』を読む前に、『「罪と罰」を読まない』を読んでいる。以前、古本屋で調達しておいたものだ。
前半は「読む前」パート、後半は「読んでみた」パートになっているので、合間に『罪と罰』そのものをサンドイッチする進め方で読もうと思っている。
一人で読んでいると進捗が芳しくないときもあるが(カラマーゾフの兄弟でも睡魔との戦いが長引く章がいくつかあった)、誰かとわいわいがやがや勝手な意見を言い合いながらであれば、とりあえず続きを読んでみようという気になる。
周囲にリアルタイムで話せる相手がいなくとも、その役割を担ってくれるありがたい本だ。
映画を観たあともそうだけど、「こういうところが良かった」「こういう読み方もできる」と感想や解釈を共有するところまでいくと、作品の楽しみ方が大きく広がる。
つまらなかったものでも、「つまらなかった」という気持ちをシェアするだけでちょっとスッキリする。時間を無駄にしてしまったという後悔を正当化できた方が気が楽だ。
あとは、意味不明な部分があっても、「あれがよく分からなかったのは自分だけではなかった」と分かると謎の安心感がある。